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ふるさと納税の返礼品は一時所得になる?税理士が解説!

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ふるさと納税の返礼品は一時所得になるって聞いたけど、本当?

どのような場合に一時所得になるか教えてほしい。



こんなお悩みを解決します。

 

本記事の内容

  • ふるさと納税の返礼品は一時所得になるのか
  • 一時所得の計算方法、認識のタイミング
  • 一時所得の対象となる所得
  • 返礼品の価格とは

これらを税理士が解説します。

 

 

本記事の信頼性

本記事を書いている僕は、30代で2児の父でもある税理士です。

子育て世代に役立つ育児に関する情報やマネーに関する情報などをまとめています。

 

ふるさと納税をする方は年々増えており、様々な返礼品を選ぶことを楽しみにしている人も多いと思います。

 

僕も毎月ふるさと納税で、子供もオムツなどの日用品からキャンプ用品など様々なものを返礼品でもらっています。

 

ただし、ふるさと納税の返戻品ですが、場合によっては一時所得として課税されることもあるので注意が必要です。

 

今回はふるさと納税の返礼品が一時所得になる場合について解説しますので、参考になれば幸いです。

 

なお、ふるさと納税の仕組みについてはこちらでまとめていますので、参考になれば幸いです。

 



 

ふるさと納税の返礼品は一時所得になる

Tax

 

ふるさと納税の返礼品は一時所得になります。

 

しかし、すべてのケースで一時所得として課税されるわけではありません

 

次のような場合に注意が必要です。

 

  • 年間で167万円以上のふるさと納税をしている場合
  • 生命保険の一時金、損害保険の満期返戻金、懸賞の賞金等、競馬や競輪の払戻し金など、一時所得に該当する収入がある場合

 

 

このような場合には、ふるさと納税の返礼品が一時所得として課税されることがあります。

くわしく説明していきます。

 

なお、ふるさと納税の枠が167万円あるのは、年収4,000万円以上ある場合などで、該当するひとはかなり限られると思います。

 

 

一時所得とは

 

rules

 

まずは一時所得について説明していきます。

 

一時所得に該当するもの

 

一時所得とは、簡単にいうと、臨時的、偶発的に生じた所得で、営利目的の経済的活動から生じた所得ではないものをいいます。

 

例えば、次のような所得が一時所得に該当します。

 

  1. 生命保険契約に基づく一時金
  2. 損害保険契約等に基づく満期返戻金等
  3. 懸賞の賞金、商品等
  4. 競馬の馬券の払戻金等(雑所得に該当するものを除く)
  5. ふるさと納税の返戻品

 

 

このように、ふるさと納税の返礼品も一時所得に該当します

 

ですが、一時所得は一定金額を超えないのであれば生じないことになります。

 

具体的に次で説明していきます。



一時所得の計算方法

 

一時所得は次のような算式で計算します。

 

(一時所得の対象となる収入金額)ー(収入を得るための経費)ー(特別控除50万円)

 

この計算で一時所得を計算し、もし金額がでれば、その金額の2分の1が課税対象となります。

 


つまり、50万円の特別控除があるため、一時所得の収入金額が50万円を超えないのであれば、一時所得は発生しないことになります。

 

具体的には次のようなイメージです。

 

1.ふるさと納税返礼品10万円の場合

 

一時所得の対象となる収入金額(10万円)ー収入を得るための経費(0円)ー特別控除(50万)=-40万円 

 →つまり、0円



2.ふるさと納税返礼品60万円の場合

 

一時所得の対象となる収入金額(60万円)ー収入を得るための経費(0円)ー特別控除(50万)=10万円 

 →10万×1/2=5万が課税対象

 

3.ふるさと納税返礼品10万円、生命保険の一時金50万円の場合

 

(一時所得の対象となるふるさと納税返礼品(10万円)+生命保険一時金(50万円))ー収入を得るための経費(0円)ー特別控除(50万)=10万円 

 →10万×1/2=5万が課税対象



このように一時所得の収入金額が50万円を超える場合に、一時所得として税金が追加で課されることになるので、注意が必要です。

 

なお、課税の対象となる金額は給与所得などに合算されて、これに税率が課されることになります。

税率は給与所得などを含めた所得金額の合計額によって異なりますが、最高税率は所得税と住民税を合わせて約55%です。

 

 

一時所得を認識するタイミング

 

このようにふるさと納税も一時所得の対象になりますが、一時所得を認識するタイミングにも注意が必要です

 

一時所得は原則、「支払いを受けた日」に認識する

ただし、事前に支払者から支払通知を受けている場合には「通知を受けた日」に認識する

 

つまり、年末にふるさと納税をし、発送通知と実際の返礼品が届いたのが翌年だった場合一時所得は翌年分の所得として認識されます。

 

一方、年末にふるさと納税をし、発送通知も年末までに届き、返礼品のみが翌年に到着した場合には、一時所得は発送通知があった年(=ふるさと納税をした年)の所得として認識されます。

 


このように年末ぎりぎりにふるさと納税をする場合には、一時所得の認識のタイミングに注意が必要です。

 

 

ふるさと納税の返礼品の金額の算定方法

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ふるさと納税が一時所得に該当することはわかりましたが、一時所得を計算するための返礼品の金額はどのように算定すればいいのかでしょうか。

 

返礼品の金額はふるさと納税した金額ではありません

このあたりを解説していきます。

 

返礼品の金額の算定方法:原則は時価

 

一時所得として物などをもらった場合の収入金額は、基本的には時価をもって算定してください、というのが税法のルールとなっています。

 

では、その時価とは何か。

 

税法上は時価に明確な規定はありません

 

ですので、合理的、客観的な金額をもって時価とする、というのが基本的な考え方になります。



ふるさと納税サイトに返礼品の金額が記載されていれば、それを用いることや、ふるさと納税をした自治体に問い合わせることなどが考えられます。

 

かなり手間がかかる作業であることは間違いないですね

 

 

ふるさと納税の返礼品の金額の算定方法:裁決事例

 

ふるさと納税が一時所得に該当するのかどうか、過去に国税不服審判所にて争われた事例があり、返礼品の金額についても議論されています。

 

参考:国税不服審判所裁決事例

 

これによると、地方公共団体が謝礼(返礼品の調達・提供)のために支出した返礼品調達価格が時価に相当するとされています。

 

返礼品調達価格は、各自治体に問い合わせることで確認できるようです。

 

 

返礼品の金額の算定方法:寄附金の30%とする

 

返礼品の時価の確認は、各自治体に問い合わせるなどでできなくはないですが、ふるさと納税を行った自治体が無数にある場合などには相当な手間になります。

 

そこで、ふるさと納税の返礼品は寄附金の30%以内にする必要があるというルールに基づき、ふるさと納税の30%を便宜的に返礼品の金額(時価)とする方法も考えられます。

 

例えば、ふるさと納税を167万円した場合、その30%が50.1万円になります。

 

ふるさと納税の枠が167万円あるのは、年収で言うと4,000万円以上の場合ですので、ここに該当するのは限られた方のみかと思います。

 

 

なお、あくまで目安としての確認方法となるため、正確な計算で使うのは避けたほうがいいと考えます。




まとめ

 

このように、ふるさと納税を行うことで、一時所得が生じる可能性があるので注意が必要です。

 

所得が多く、ふるさと納税の枠が167万円以上ある人はもちろん、

年収4,000万もないから関係ないと思っていても、生命保険の一時金など、ほかに一時所得がある場合には注意が必要です。

 

一時所得により納税額が少し大きくなったとしても、一定程度であれば、ふるさと納税のメリットはあると考えます。

 

そもそも2,000円の負担でそれ以上の返戻品をもらえるのがふるさと納税のメリットですが、

この負担が、一時所得による追加納税分、少しずつ増えるというイメージです。

 

細かいシミュレーションなどは複雑になることもあるので、必要に応じて税理士に相談することをお勧めします。

 

こちらも是非参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

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