ふるさと納税って節税になるの?どういう効果があるの?おすすめの使い方があれば、わかりやすく説明して欲しい。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
- ふるさと納税の仕組み
- ふるさと納税のメリット
- おすすめの使い方
- これらについて、税理士がなるべくわかりやすく解説します。
本記事の信頼性
本記事を書いている僕は、30代、2児の父でもある税理士です。
子育て世代に役立つ育児に関する情報や、マネーに関する情報などをまとめています。
ふるさと納税をする人が徐々に増えてきていますが、一方で「よくわからない」「面倒くさそう」といった理由でやってない人も多いのではないでしょうか。
ふるさと納税は使い方によってはとてもお得な制度ですので、内容についてわかりやすく説明したいと思います。
僕も毎年、自分の限度額ギリギリまでふるさと納税を行っています。
結論を最初に言うと、次のとおりです。
- ふるさと納税は節税ではなく税金の前払いです。
- 寄附した自治体から返礼品をもらうことができます。
- どのみち買う必要のあるものを返礼品としてもらうのであれば、支払う税金が食品や日用品に変わる、お得な制度です。
内容についてこの後詳しく説明していきます。
お得な制度であることは間違いないので、参考になれば幸いです。
もくじ
ふるさと納税の仕組み
まずは、ふるさと納税がどういう仕組みになっているのか、説明します。
自治体への寄附金
ふるさと納税は、法律上は寄附となります。
自分の生まれ故郷はもちろん、日本全国の自治体(都道府県・市区村町)に寄附をすることができます。
寄附をすることで、その寄附をした自治体から、その自治体の特産品などをもらうことのできる制度です。
なお、返礼品は寄附金額の3割以下の地場産品であることが法令上で定められてます。
つまり、10万円を寄附した場合には、3万円相当の特産品が受け取れるということになります。
節税ではなく税金の前払い
ふるさと納税は、その寄附した金額から2,000円を引いた金額が、所得税と住民税から控除されるという制度です。
つまり、節税ではなく「税金を前払い」しているだけとなります。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税は節税ではないのに、何がメリットなのか説明します。
わかりやすくするために、支払うべき所得税と住民税の合計が100万円の人を例に説明してみます。
ふるさと納税をしない場合、単純に税金を100万円支払っても何ももらえません。
どうでしょうか。
支払ったお金を比較してみましょう。
ふるさと納税をしない場合:税金100万円
ふるさと納税をした場合:寄附金10万円+税金90万2千円=100万2千円
ふるさと納税をした場合の方が、2千円、支払ったお金が多くなりました。
でも、返礼品として3万円相当の商品をもらっています。
例えば、返礼品として、普段から使うお米を選択したとします。
ふるさと納税をしない場合、3万円のお米は、税金とは別で支払うことになります。
ふるさと納税をした場合、3万円のお米は、追加でお金を支払わなくても返礼品としてもらえたことになります。
ふるさと納税をしない場合:税金100万円+お米3万円=103万円
ふるさと納税をした場合:寄附金10万円+税金90万2千円+お米0円=100万2千円
つまり、2万8千円、ふるさと納税をした方が得(支払うお金が少ない)!になります。
これがふるさと納税をするメリットになります。
どうせ買うものであれば、ふるさと納税をして返礼品としてもらった方が、実質2千円で買えたことになるので、断然お得です。
何箇所に寄附をしても、この実質負担の2千円は増えないので、例えば、10の自治体に合計30万円寄附し、その3割相当の9万円分の返礼品をもらったとしても、実質負担は2千円のままになります!
なお、2023年10月よりふるさと納税のルールが少し変わっているので、こちらを参考ください。
ふるさと納税の流れ
続いて、ふるさと納税を行う時の流れを説明します。
寄附できる上限額を知る
ふるさと納税はいくらでもできるというわけではありません。
年収や家族構成、そのほかの医療費控除など控除の金額などによって、ふるさと納税できる上限金額は変わってきます。
事前にチェックしておかないと、ふるさと納税をしたのに、税金の控除が全額受けられない、といった事態になることもありますので、注意が必要です。
年収別のざっくりとした寄附金の上限金額は、次のようなイメージです。
年収500万円の場合、3万円から6万円くらい
年収800万円の場合、9万円から12万円くらい
年収1,000万円の場合、14万円から18万円くらい
年収1,200万円の場合、20万円から24万円くらい
総務省のHPに、年収別、家族構成別の限度額の目安が記載されているので、概算金額を知るには便利だと思います。
もっと正確な限度額を計算するには、ふるさとチョイスのシミュレーションなどが細かく設定して計算してくれるので、おすすめです。
控除・還付の手続き
通常ふるさと納税を行う場合には確定申告を行う必要があります。
ただし、確定申告が不要な給与所得者で、ふるさと納税の納税先が5団体以内の場合には、ワンストップ特例制度という制度を適用できます。
ワンストップ特例とは、次のような制度です。
- 寄附をする時にワンストップ特例を適用する旨を通知する
- 受領した申請書に必要事項を記載して、寄附先に提出する
- 申請に基づき、確定申告なしで控除を受けることができる
なお、他に所得があり確定申告をする方、医療費控除を受ける方、5団体を超えて寄附をする方は確定申告が必要になります。
なお、確定申告や医療費控除については、こちらも参考にしてみてください。
>>サラリーマンの副業は確定申告が必要?わかりやすく解説します。
>>医療費控除を忘れた!そんな時の対処方法をわかりやすく解説します。
>>【ふるさと納税】医療費控除の影響・計算を税理士がわかりやすく解説
ふるさと納税:おすすめの使い方
毎年ふるさと納税を行なっている僕のおすすめの使い方を紹介します。
日常的に必要なものを選ぶ
一番のおすすめの使い方は、ふるさと納税をしてもしなくても必要なものをふるさと納税の返礼品として選ぶことです。
具体的には、先ほど例に挙げたお米などの食品、飲料などです。
結局は買うことになるものを、税金の支払いにより受け取ることができるため、この使い方が一番のメリットになります。
詳細は先ほど説明していますので、参考にしてみてください。
寄附するタイミングを考える
これまで説明しているとおり、ふるさと納税は税金の前払いです。
つまり、先にお金を払うことになり、所得税や住民税が控除されるタイミングは後になります。
最初にお金が出ていくことになるため、年末ギリギリに寄附を行い、確定申告にて所得税の一部の控除を受け、残りは6月以降の住民税から控除を受けると、お金の支出から回収までの期間が短いことになります。
2021年1月に寄附(税金の前払い)をしたとすると、この部分の税金の控除や還付を受けるのは、翌年の2022年3月の所得税の確定申告のタイミングと2022年6月以降に給与から天引きされる住民税からになるので、1年以上経って、その効果が生じるということになります。
なお、だからと言って年末ギリギリに一度にたくさんの寄附を行うと、返礼品も同じタイミングで一気にきてしまう可能性もあるので、寄附のタイミングをどうするか、どのような返礼品を選ぶかについては、検討が必要です。
僕の場合は、ふるさと納税(税金の前払い)と税金の回収のタイミングよりも、返礼品の届くタイミングを重視しているので、回収までの期間はそれほど気にしないでふるさと納税を行なっています。長期で見れば、ふるさと納税をした方が、お金の支出は少ないので。
おすすめの返礼品
最後に、僕の個人的なおすすめの返礼品を紹介します。
お米
日常的に使うものの代表がお米です。
子供が生まれるまではそれほどお米を食べない生活だったのですが、子供にお米を食べさせているうちに、自分達も以前より食べるようになり、消費量が非常に増えました。
定期的にふるさと納税をして、返礼品として選んでいます。
大体1万円から1万5千円で、10キロから15キロの返礼品になっている自治体が多い印象です。
毎回、色々な産地のお米を選んで味の違いを楽しんでいます。
僕は次の産地のものを結構選んでいます。
飲料
こちらも日常的に使うものですので、非常に助かっています。
僕はお酒はあまり飲まないのですが、強めの炭酸水が好きなので、炭酸水は欠かさず選んでいます。
周りではやはりお酒を返礼品として選ぶ人が多いですね。
フルーツ
こちらも子供がいる家庭には非常に良いと思います。
僕は定番ではありますが、さくらんぼ、シャインマスカット、イチゴなどを毎年お願いしています。
人気のものなどは寄附をしてから届くまで時間がかかるのですが、早めに寄附をしておいて、忘れた頃に届くのがまた嬉しかったりもします。
正直、僕はこれらのフルーツはスーパーでは全く買わなくなりました。
鍋セット
全国の鍋セットなどがあることを知ってからよく利用するようになりました。
小さな子供がいるとなかなか鍋を外で食べる機会が少ないので、市販の味とはまた違う美味しさを楽しめるのがおすすめです。スープや具材まで全てセットになっているものが多く、野菜だけ用意すれば良いので、とても楽ですよ。
まとめ
ふるさと納税は節税ではなく税金の前払いです。
寄附金の3割程度の返礼品をもらうことができるため、節税ではないものの、トータルではとてもお得な制度ですので、ぜひ活用すべき制度となります。
なお、最初に寄附金としてお金を払い、その控除を受けることができるのは、翌年以降になるので留意が必要です。
まずは登録から始めてみましょう!