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「副業300万円以下は雑所得」改正案が修正へ!修正内容のまとめ

2022年10月7日

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Rules

副業収入が300万円以下だと雑所得になるという所得税通達の改正案が修正されたと聞いたけど、内容について教えてほしい。

 

こんなお悩みを解決します。

 

本記事の内容

  • 2022年10月7日に国税庁が公表した所得税基本通達の一部改正案の具体的な修正内容
  • これらについて、税理士である僕がなるべくわかりやすく解説します。

 

 

本記事の信頼性

本記事を書いている僕は、30代、2児の父の税理士です。

子育て世代に役立つ育児に関する情報や、マネーに関する情報などをまとめています。

 

2022年8月の国税庁による所得税基本通達の一部改正案において「副業収入が300万円以下の場合には、特に反証のない限り、雑所得として取り扱うこととする」とする案を公表し、これについてのパブリックコメントの募集を開始しました。

8月の改正案の内容についてはこちらでまとめていますので、参考にしてみてください。

 

 

これに対し、7,059件のコメントが寄せられた結果、当初の改正案から大幅に修正された所得税基本通達の改正が2022年10月7日に公表されました。

 

実際の通知はこちらです。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000242043

 

今回の修正内容についてまとめていますので、参考にしてみてください。

 

副業の所得区分に関する通達改正案の修正内容

Definition

 

今回の修正内容について整理していきます。

 

帳簿書類の保存により判断する

 

今回の公表では、パブリックコメントに対する国税庁の考え方が記載されています。

具体的には次のような考え方が記載されています。

 

  • 帳簿書類の保存の有無で所得区分を判定する
  • 収入金額が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば、原則として、事業所得に区分されることとなる

 

つまり、300万円という金額でのなく、帳簿書類の保存の有無により判定が行われることになります。

 

8月の改正案では、「収入金額が300万円以下の場合には、特に反証のない限り、雑所得に該当する」という内容だったので、大幅な修正といえます。



帳簿書類の保存がない場合

 

今回の修正では「その所得に係る収入金額が300万円以下で、帳簿書類の保存がない場合には雑所得に該当する」との公表もありました。

 

つまり、副業収入が300万円以下の場合には、事業所得として区分されるためには帳簿書類の保存は必須であり、保存してなければ、雑所得になってしまうということです。

 

本改正は2022年分の確定申告から適用する予定とのことなので、きちんと帳簿書類を準備することが必要です。

 

そもそも事業所得者には、帳簿の保存が義務付けられているので影響はないとは思います。

 

なお、事業所等と雑所得で、どのような税務上の影響があるのかについては、こちらでまとめているので参考にしてみてください。

 

 

 

 



帳簿さえ保存していればいいのか?

 

なんとなく、帳簿されつけていればなんでもよさそうに見えますが、ここは注意が必要です。

 

改正後の通達には、「事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する。」との記載があります。

 

これは従来からある考え方で、まずは社会通念上、事業としていえることが前提になっているということです。

つまり、そもそもが事業といえないのであれば、帳簿をつけていたとしても、事業所得とは認められない可能性があるので注意が必要です。

 

社会通念上の事業って一体なんなんだ、と思いますよね。

社会通念上の事業をどのように判断するのか、詳しくはこちらで説明しているので参考にしてもらえればと思います。

 


また、今回、次のような解説が国税庁から公表されています。

帳簿書類を保存している場合でも、次のような場合には、事業と認められるかは個別に判断することになる。

  • その所得の収入金額が、概ね3年程度の期間、300万円以下で主たる収入の10%未満の場合
  • その所得が概ね3年程度の期間赤字で、かつ、赤字を解消するための営業活動などを実施していない場合

 

簡単にいうと、「事業としてちゃんと頑張っている痕跡がないなら、事業所得とは認めないよ(=事業所得による恩恵は受けさせないよ)」ということです。

 

つまり、まずは事業であることが前提となり、その後、収入金額は300万円あるのか、帳簿書類を保存しているのか、3年以上規模が小さいままではないのか、企業努力はしているか、といった判断にかけられるようなイメージです。

 

 

まとめ

 

今回の修正により「収入金額が300万円以下であっても、帳簿書類の保存があれば、原則として事業所得に区分される」ことが明確になりました。

つまり、今後ますます帳簿の重要性が高まっていきます

 

帳簿をつけるにあたり、簿記の知識は必須となります。僕は副業時代には簿記の資格は必須だと思っています。

簿記3級の勉強を少しするだけでも、簡単な帳簿が作れるようになるので、この機会に勉強してみるのもいいのではないでしょうか。

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詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

 

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