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子供名義の保険加入は名義保険になる?名義保険の内容や対策

2022年9月23日

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子供のために保険に加入するときに名義保険の問題に気をつける必要があると聞いたけど、名義保険とは何か内容を教えてほしい。

名義保険にならない対策などあれば教えてほしい。

 

こんなお悩みを解決します。

 

本記事の内容

  • 名義保険とは何か。
  • 名義保険とみなされた場合の問題点
  • 名義保険の解決方法

 

 

本記事の信頼性

本記事を書いている僕は30代の2児の父である税理士です。

子育て世代に役立つ育児に関する情報や、マネーに関する情報などをまとめています。



 

僕は子供のための資産形成のひとつの方法として子供名義変額保険に加入しました。

変額保険の内容やなぜ変額保険を選択したのかはこちらをご覧ください。

 



子供のためなどに保険に加入するときに、名義を自分にするか、子供にするかで税金の取扱いが変わることがあります

 

契約者保険料負担者が違う場合、例えば、契約者(名義)を子供、保険料は親が払うときなどは、名義保険とみなされ、相続税贈与税の対象になります。

 

このように、名義保険とみなされた場合、相続税や贈与税の論点が生じるなど、せっかくの子供のための資産形成で思わぬ負担や面倒が生じることになるかもしれません。

 

 

もちろん、財産を子供に残す際に、法令に従い相続税や贈与税を納めることは、富の再配分の観点では必要なことです。

 

 

ただ、やり方によって回避できることもあります。

そこで、名義保険の内容や問題点、解決策をまとめているので、参考になれば幸いです。

 

 

結果として、僕は子供名義で変額保険に加入し、保険料は僕が子供に現金を贈与し、その贈与した現金で、子供の口座から保険料の支払いを行うようにしています。

 

 

このような方法をとった理由も含めて説明していきます。



名義保険とは

 

Definition

 

 

そもそも名義保険とはどのようなものかまとめています。

 

名義保険に該当するケース

 

名義保険とは、保険の「契約者」と「保険料負担者」が異なるケースをいいます。

 

わかりやすい例としては、父親が子供名義で保険を契約し、保険料は父親が負担するケースです。

 

契約者:子、保険料負担者:、被保険者:子、返戻金等受取人:子

 

子供のために終身保険や変額保険に加入しようと思ったら、このような形がひとつの選択肢になると思います。

 

契約上は子のみが登場し、父親の存在は見えないので、一見、相続税や贈与税などは関係ないように見えます。

ところが、契約者(子)と保険料負担者(父)が異なるため、名義保険とみなされ、税務上の取扱いに注意が必要となります。



名義保険と指摘をされた場合の問題点

 

名義保険と指摘された場合、何が問題になるのかを説明していきます。

 

先ほどのケースでは、保険料負担者である父親が死亡したとしても、保険契約上、被保険者は子のため、保険金の支払いは生じません。

 

しかし、実際に保険料を負担していたのは父親であったため、父親から子に対して、財産が引き継がれたものとみなされ、相続税の対象になってしまいます。

 

その結果、父親の死亡時の解約返戻金相当額が相続財産とみなされることになります。

 

また、父親が死亡していなくても、子がその保険を解約し、解約返戻金などを受け取る場合には、父親から子へ贈与があったものとして、贈与税がかかることになります。

 

少しややこしいのでまとめてみると、次のような整理になります。

summary

 

変額保険など、長期間加入することで解約返戻金が支払った保険料を上回る金額になることもありますが、贈与税などでせっかくの運用分が消し飛んでしまうと、何のための加入かわからなくなってしまいますよね。


そのため、加入時にきちんと整理しておくことが非常に大事になります。



名義保険の解決方法

 

Solution

では、名義保険とみなされないための方法はあるのか、説明していきます。

 

すでにある名義保険の解消方法はない

 

まず、すでに名義保険となっている場合、それを解消する方法はありません。

 

すでに契約者とは異なる人が保険料を負担している場合、将来保険金を受け取ったときに、その部分契約書と異なる人が負担した保険料に対応する保険金は、その後、保険料負担者を契約者に変更したとしても、相続や贈与の対象になってしまいます。

 

例えば、最初に父親が保険料を負担し、その後、契約者である子本人が保険料を負担するように変更したとしても、当初、父親が負担していた保険料に対応する保険金は、相続や贈与の対象となってしまいます。

 

そのため、名義保険とみなされないためには、契約の開始時から契約者と保険料負担者を一致させる必要があります。

 

とはいえ、0歳や1歳の子供を契約者とした場合、保険料の負担なんてできないですよね。

そこで次のような方法が考えられます。



子供に保険料相当額を贈与する

 

名義保険とみなされない方法のひとつに、保険料相当額を契約者に贈与する方法があります。

 

つまり、父親が子に現金を贈与し、子がその現金で保険料を支払うことで、子が保険料負担者になります。

 

これにより、保険の契約者と保険料負担者がいずれも「子」になるので、名義保険とはなりません

 

そのため、毎年の保険料の金額を贈与税の基礎控除(110万円)の範囲内としたり、贈与があったことを客観的に証明できように、贈与契約書を毎年締結するなどにより、将来の贈与税を回避することができると考えます。

 

僕はこの方法で、名義保険にならないように整理をしています。

 

なお、この方法においては、「保険料の贈与が認められるのか」「毎年、保険料相当額を贈与すると、連年贈与(各年の贈与額を判断するのではなく、各年の贈与の総額を一括で贈与したと判断)とみなされるのではないか」といった疑問が生じるかと思いますが、これについては、次で解説していきます。

 

こちらは税務のテクニカルな話なので、興味のある方のみご覧ください。



保険料の贈与について

国税庁は昭和58年9月14日付事務連絡「生命保険料の負担者の判定について」を公開しています。

  1. 被相続人の死亡又は生命保険契約の満期により保険金等を取得した場合若しくは保険事故は発生していないが保険料の負担者が死亡した場合において、当該生命保険金又は当該生命保険契約に関する権利の課税に当たっては、それぞれ保険科の負担者からそれらを相続、遺贈又は贈与により取得したものとみなして、相続税又は贈与税を課税することとしている(相法3①一、三、5)。
    ※生命保険金を受け取った者が保険料を負担している場合には、所得税(一時所 得又は雑所得)が課税される。
  2. 生命保険契約の締結に当たっては、生計を維持している父親等が契約者となり、被保険者は父親等、受取人は子供等として、その保険料の支払いは父親等が負担している、というのが通例である。このような場合には、保険料の支払いについて、父親等と子供等との間に贈与関係は生じないとして、相続税法の規定に基づき、保険事故発生時を課税時期としてとらえ、保険金を受け取った子供等に対して相続税又は贈与税を課税することとしている。
  3. ところが、最近、保険料支払能力のない子供等を契約者及び受取人とした生命保険契約を父親等が締結し、その支払保険料については、父親等が子供等に現金を贈与し、その現金を保険料の支払に充てるという事例が見受けられるようになった。
  4. この場合の支払保険料の負担者の判定については、過去の保険料の支払資金は父親等から贈与を受けた現金を充てていた旨、子供等(納税者)から主張があった場合は、事実関係を検討の上、例えば、①毎年の贈与契約書、②過去の贈与税申告書、③所得税の確定申告書等における生命保険料控除の状況、④その他贈与の事実が認定できるものなどから贈与事実の心証が得られたものは、これを認めることとする。



これにより、保険料相当の贈与は認められ、かつ、毎年、保険料相当額を贈与したとしても、総額を一括贈与した(連年贈与)とはならないと考えます。

連年贈与とはならないという考え方は、保険契約はいつ解約するか実際はわからないので、毎年同額を贈与していたとしても、総額が当初から決まっていたとはいえないといった観点から主張できると考えます。

 

このように、保険に関する税務は複雑なものが多いので、保険を用いて何か子供に資産を残そうと考えている人は、参考書を一冊持っていると便利だと思います。

こちらは税理士にもおすすめの一冊です。

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まとめ

 

せっかく子供のために保険に加入したとしても、名義保険とみなされると、将来、相続や贈与といった問題が生じる可能性があり、実際に保険金を受け取るときに非常に面倒な状況になってしまいます。

 

誰もがそんな面倒を子供に追わせたくないですし、そもそも、実際に保険金の支払いがある頃には、何が問題になるのかも忘れてしまっている可能性が高いと思っています。

 

そのため、子供のための保険の加入前には、論点をきちんと整理し、なるべく手間がかからないようにしておくことが望ましいと思います。

 

こういった厄介な問題もあるので、保険契約の際には保険のプロなどから、情報を収集し、相談することが一番です。

相談するだけなら、どこも基本的に無料なので、まずはいろいろな保険の仲介業者などに相談してみるのがいいと思います。

僕も、複数の業者を使い、自分の考えなどを伝えた上でいくつか保険を紹介してもらって決めていました。

中には、知識が足りない人もいるので、いくつかの業者を同時に使うのがいいと思います。

 

 

こちらも参考になれば幸いです。

 



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